父の命日に
あれから15年も経つなんて信じられないけれど、時は確かに時間を刻みながら今日まで私をこの日に連れてきていた。
私は花を花瓶に生けながら、あの日を思った。
大雪の降る日だった。
身体の芯まで冷え切るようなそんな日だった。
命の消える瞬間を初めて目の当たりにした。
人はこんなふうに亡くなってゆくのだと、蝋燭の炎が消えゆくように亡くなってゆくのだと悲しみに暮れながら思った。
父へ。
そちらの暮らしはどうですか?
楽しく暮らせていますか?
大好きな歌を歌ったり、三味線をひいたり…
15年という月日はあまりにもあっという間で、でもそれでいてあまりにも遠すぎて、あなたの笑顔だけが目に浮かんでいます。
これからも、空から私達を見守っていてください。